好奇心でしかない
「高橋飯店」通称『味の高橋』
名古屋ドームに比較的近い古出来町(こできまち)交差点の角にある小さな中華屋。
会社の帰り道、店前で店主が煙草を吸っている姿を良く見かける。
また外から見てわかる通り入口にコカ・コーラの自販機が置いてあるので本来の入口からすると既に半分になっている。
更に商売道具の一つショーウィンドーの中身は、何もなく昭和のクリスマスツリーに使かわれている電飾が無造作に置かれている。
そんな見てくれの『味の高橋』とは、どんなものなのかと恐る恐る覗いてみることにした。
初めは、炒飯で味を確かめる。
決して旨いとは言えない特にチンタンスープは、最悪で醤油の味しかしない。
おっさんは、人を信じない。
我が道を進む。
もう一度行ってみた。
今度は、王道の『酢豚』
『酢豚定食』なるものがあり注文した。
なんと!弁当箱に入って提供されてきた!
おっさんは、愕然とした。
あまりにも酢豚の量が少ない(泣)。
またチンタンスープも相変わらず不味い。
唯一おっさんが、この店に愛着を感じているのは、この店の主だ。
「味の高橋」を守っているのは、90才くらいの爺さん店主と80歳くらいの婆さんだ。
一生懸命働いている。
また爺さんの掛け声や中華鍋を振る音が心地よい。
だからおっさんは、食事に来たと思う。
ここは『”味の高橋”』だ。
情には流されない。
もう二度と行かない。
おっさんは、約6年間気になっていた胸のつかえが取れた。
今後「高橋飯店」の前を通ることがあってももう心残りは無いのでこれからは素通りすることだろう。
さよなら「高橋飯店」。